医療の質―谷間を超えて21世紀システムへ
米国医療の質委員会, 医学研究所, 訳:医学ジャーナリスト協会
医療の質改善の超古典。しかし意外に和訳本が出ている事を知る人が少なかったりもする。
原著
Crossing the Quality Chasm: A New Health System for the 21st Century
人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して
米国医療の質委員会 医学研究所, L.コーン, J.コリガン, M.ドナルドソン, 訳: 医学ジャーナリスト協会
個人の努力によって医療安全を支えようとするカルチャーに真っ向から反対した初めての書ともいえる。これも何故か訳文の知名度が非常に低い。原著題名はAlexander Popeの"An Essay on Criticismという詩、「To err is human, to repent is divine」(過つは人の業、許すは神の業)から引用されたものだが、残念ながら題名にこのニュアンスが反映されていないためではなかろうか…。とてもいい本です。
原著
To err is human
医療戦略の本質
マイケル・E・ポーター, 訳:山本雄士
競争戦略の第一人者、マイケル・E・ポーターによる医療戦略の分析。医療マネジメントの基礎読本とも言えるでしょう。「現場の事は現場の人間にしか分からない」という世間の風潮を覆した1冊。
原著
Redefining Healthcare
非営利組織の経営
P.F.ドラッカー
HBS教授の著書を2冊並べるのも、と思ってしまいますが仕方ありません。当然のことながら医療はNPOである。普通のマネジメントやビジネス書が適応できるわけではない。医療福祉関係者であれば、「もしドラ」を読む前にこれがお勧めです(単行本だと高くなるのでこちらを紹介)。270ページとボリュームも適度です。
原著
Managing the Nonprofit Organization
予防医学のストラテジー
ジェフリー ローズ, 訳:水嶋 春朔
「高血圧治療は予防であって治療ではない」。しかし、医者は全てを「患者」としてひとくくりにしてしまうー。Prevention Paradoxを提唱したジェフリー・ローズによる、英国人らしいシニックを織り交ぜた予防医学、というよりはむしろ近代医学、の解説。教科書ではありません。
原著
The Strategy Of Preventive Medicine
医療の質の定義と評価方法
アヴェディス・ドナベディアン、 訳:東 尚弘
医療サービスの評価の枠組みは「構造、過程、結果」からなる。このフレームワークを用いた評価法は、筆者の名前を取ってドナベディアン法とも呼ばれている。題名が硬いのでとっつきにくいかもしれませんが、医療の質評価を実践したい方の為の入門書かつ必読書(執筆者主観ですが)。
原著
An Introduction to Quality Assurance in Health Care