病いの宇宙誌
山口昌男
医療改善とはまた別物ですが、文化人類学的に見た日本のシャーマニズム的な医療の側面を理解するのに良いと思います。「治療者としての役割への感受性を働かすための訓練はほとんど受けていない」今日の医師のジレンマが繰り返し述べられている作品。
アジアの医療保障制度
井伊雅子
オーストラリア、台湾、中国、韓国、シンガポールの医療をまとめて紹介。広さも文化もまちまちのこれらの国の医療を俯瞰することで、その国に見合った医療とは…とかんがえさせられます。
中央公論2008年1月号
政権交代後、陰を潜めつつある「医療崩壊」という単語。つい4年前の事ですが、忘れてしまった方も多いのではないでしょうか。医療の歴史の1ページとして、どのような『史実』となったのかを改めて思い出すことは大事だと思います。
誰が日本の医療を殺すのかー「医療崩壊」の知られざる真実ー
本田宏
こちらもそろそろ古典となりつつあります。しかし現場の状況は当初から一歩も動いていない、という事実を私たちは認識すべきかもしれません。
医療政策入門
東京大学医療政策人材養成講座・編
13の医療政策講義をまとめたもの。教科書のように全てを網羅しているわけではないが、政策研究の第一人者たちの肉声という意味では面白い。かも。
イギリスの医療は問いかける
森臨太郎
イギリスで臨床・ガイドラインの作成などの現場をこなした筆者が公平に、かつ熱く日本とイギリスの医療を比較しています。数値や統計などではなく肌で感じる違いを解説するため、読みやすいです。
誰でもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ
木村 憲洋, 医療現場を支援する委員会, 井村 健司
病院マネジメントの基本中の基本をさっくり知りたいときにはこれ!
誰でもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ
木村 憲洋, 井村 健司
上記のパート2。まあ、こちらはホントにマネジメントをやりたい人、経営者向けになってくる印象はありますが、いずれにしても入門書としてはかなりよいです。
医療の限界
小松秀樹
日本の医師の労働時間・労働環境はどの国に行っても信じてもらえない。日本の現場でしか分からない苦悩を知らなければ、いくら知識を輸入しても改革は不可能だ。
患者様が医療を壊す
岩田健太郎
一見医者が患者をこき下ろすだけの痛快読本にも見られがちだが、笑いの根底に流れるどうしようもない現場の「重さ」と「暗さ」に注目すると、閉塞しきった医療現場が見えてくる。